ロンドン市場 午前概況 景況感の鈍化がユーロを圧迫、ドル円も緩む

2014年11月20日 20:47

ロンドン午前の為替市場はユーロが下落。本日発表されたユーロ圏各国の11月景況感指数が製造業分野を中心に、10月から低下するものが目立ち、域内の経済回復が遅れるとの不安が広がった。関連市場では、欧州株が1%近く下げた一方で、安全資産とされる独債や米債は上昇(利回りは低下)した。
 
本日発表された独製造業PMIは、景気判断の拡大・縮小の分かれ目となる50.0へ後退したほか、ユーロ圏製造業PMIも50.4と前月の50.6から低下した。EUのロシアに対する経済制裁や、世界的な需要低迷が景気回復を遅らせていることが示唆された。
 
ユーロドルは、対ポンドでのユーロ買い戻しを受けて一時1.2576ドルまでレンジ上限を切り上げたが、指標結果を受けて1.2505ドルまで反落した。ユーロ円も、円安の流れに乗ってつけた2008年10月以来の高値となる149.12円から、148円前半まで大きく水準を下げ、本日の上昇幅のほとんどを失った。
 
一方で、ポンドドルは底堅い展開。10月小売売上高が、前月比・前年比とも市場予想から上ぶれたことで、英経済に対する期待感が下支えとなった。序盤こそ、ユーロの動向に影響されてポンドドルは1.5632ドルまで売りが先行したが、好調な消費データを受け、1.5680ドル台まで急反発した。ポンド円は、東京午後に186.13円をつけ、約4年ぶりの高値水準となっていた反動から利食い売りに押されたが、下値は158円前半にとどめるなど底堅さは維持した。
 
ドル円も上値の重い展開。一時、2007年8月以来の高値となる118.98円までレンジ上限を広げたが、119円に設定されたバリア・オプションの防戦売りに上値を抑えられると失速。レバレッジ系や海外短期勢の利食い売りなどが重なり、118円前半まで反落した。その他のクロス円もドル円の動向に連動する格好で、スイスフラン円は124.16円まで上伸後に123円前半へ反落したほか、豪ドル円は101円後半、加ドル円は104円前半で上値が重くなった。