ロンドン市場 午前概況 安倍首相の発言を受けた円売りも一時的

2014年11月18日 20:32

LDN午前の為替市場は、安倍首相が衆院解散と再増税の延期を表明したことを受け円が売られる展開に。ドル円は一時117円を回復したが、安倍首相の発言内容にサプライズはなく、先行した円売りの巻き戻しも背景に速いペースで調整が入り、ドル円・クロス円ともに安倍首相の発言による上げ幅をほぼ帳消しにした。
 
本日18時ごろ、安倍首相が自民党臨時役員会で衆院解散と、消費税10%への引き上げを1年半先送りするとの意向を表明したと、一部報道が報じた。これを受け為替市場は円売りに傾き、ドル円は一時117.07円まで上昇、昨日つけた117.06円をわずかに上回った。ただその後に開かれた記者会見では「消費税の再延期はない」としたほか、これまでに伝わっている内容を越えるような発言はなく、また戻り売りもあり116円半ばまで押し戻された。
 
ユーロは対円、対ドルで強含み。ユーロポンドでの買い戻しや安倍首相の会見に伴う円売りに加え、本日発表された独およびユーロ圏の11月ZEW景気期待指数が市場予想を大きく上回ったことが後押しとなり、ユーロ円は146.69円まで上伸、昨日高値146.53円を超えて年初来高値を更新した。ただ記者会見後は速いペースで調整が入り、146円前後まで押し戻された。またユーロドルも、まとまったオプションが設定されている1.2500ドルを超えて上昇幅を拡大し、1.2541ドルまで上値を伸ばした。
 
オセアニア通貨はまちまち。スティーブンスRBA(豪準備銀行)総裁が「将来的に豪ドルは安くなるだろう」、「必要なら、金利を引き下げることはできる」、「投資家は、豪ドル下落を過小評価している」などと述べたことが影響して、豪ドル/ドルは0.8747ドルを高値に0.8710ドル付近、豪ドル円は102.24円を頭に101円後半まで下押しした。一方でNZドル/ドルは0.7960ドル付近を推移。NZドル円は93.23円まで上値を伸ばしたが、92円後半まで戻された。