ロンドン市場 午前概況 円高・ドル安、日銀総裁は言質与えず

2014年04月08日 20:16

ロンドン午前はドル安。黒田日銀総裁は会見で追加緩和の示唆を与えず、市場参加者の一部から失望感を誘い円買い・ドル売りにつながった。消費税増税のタイミングで日銀が景気下支えのため追加緩和に踏み切るとの観測があったが、会見内容からそのような印象は限られた。ドル円は21日移動平均線を下回り、102.52円まで下落。夜間取引の日経225先物は150円安の14440円まで下げている。
 ポンドドルは2月の英鉱工業生産が強かったためポンド高・ドル安が進み、100p超の上昇幅となった。1.6718ドルまで上昇し、先月13日以来の高値をつけている。英景気回復のなかで鉱工業生産の持ち直しは遅れているが、前向きなトレンドが再確認された。
 豪ドル/ドルは先月末からのレンジ上限を上抜き年初来高値を更新している。0.9300ドルちょうど付近が上値抵抗となっていたが、本日はっきりと突破した。豪ドル高・ドル安に関して手がかりは見当たらないが、NZドルや加ドルに対してもドル売りが入った。NZドル/ドルは0.8681ドル、ドル/加ドルは1.0920加ドルまでドル安推移。
 ユーロドルは対主要通貨でのドル売りのなかで1.3774ドルまで上昇。先週のドラギECB総裁の会見が始まる前の水準まで回帰している。ECB理事会以降、欧州の金融当局者から量的緩和に否定的な発言があり、ドラギECB総裁のハト派色が打ち消されている。
 ドル中心の相場展開となっており、クロス円の方向感は揃わず。ユーロ円は141.13円まで下げた一方で、ポンド円は171.57円までしっかりと推移。加ドル円は93円後半で方向感が薄い。豪ドル円は95.90円、NZドル円は89.08円まで水準を切り上げた。