ロンドン市場 午前概況 円買い進行、ポンドは引締め期待後退で反落

2014年05月14日 20:49

ロンドン午前の為替市場は円やポンドに動意。足元の株価上昇のペースが速すぎるとの見方から株式市場に利益確定売りが入ったほか、米10年債利回りが2.565%まで低下したことで、リスク回避的な円買いが強まった。また、ポンドは買い先行後に反落。英国の早期利上げ期待をめぐる思惑が後退したことがポンドの上値を重くした。
 ドル円は101.72円、ユーロ円は139.49円、豪ドル円は95.59円、加ドル円は93.36円、スイスフラン円は114.36円までそれぞれ下落幅を拡大した。ユーロ円は、6月ECB理事会での追加緩和実施が現実味を増していることも重しとなった。プラートECB理事は「ECBは複数の措置を組み合わせることができる」などと述べたことが伝わった。
 ポンドは反落。雇用情勢の改善期待や足元の経済回復を受けて、早期の利上げをめぐる思惑買いが先行。失業率の発表前にポンドドルは1.6875ドル、ポンド円は172.36円まで高値を塗り替えた。ただ、英国の失業者の減少数が2万5100人と市場予想3万人にとどかなかったことでポンド上昇が一服。イングランド銀行(BOE)インフレ報告でも、利上げを急がない方針が示されたことから、引締め期待が巻き戻され、ポンドドルは1.6759ドル、ポンド円は170.67円まで急落した。
 もっとも、カーニーBOE総裁は「政策金利は当面低水準にとどまる必要があるかもしれない」と述べつつも、「これまでより、利上げ開始時期に近づいている」として、利上げをより意識していることをうかがわせた。また雇用に関しても、国際労働統計(ILO)基準の失業率は6.8%と約5年ぶりの低水準となったことで、ポンドの下げは限定的だった。
 
 
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