ロンドン市場 午前概況 円安途切れず、ハト派色薄い議事録でポンド反発

2014年11月19日 21:11

ロンドン午前の為替相場は、円を除いて方向性の見極めづらい展開に。円は、「消費増税の影響を除いた消費物価が、1%を下回る可能性がある」との黒田日銀総裁の会見での発言が追加緩和を想起したことで、上値が重くなった。ドル円は、117.66円と2007年10月以来の高値を塗り替えた。昨日に消費再増税の延期が決まったことで、政府と日銀の対立が懸念されたが、それに関する言質がなかったことも、円売り安心感を誘ったようだ。
 
一方で、他通貨の方向性は定まらなかった。ポンドドルは、ユーロ買いが先行し、1.5590ドルまで下落した。しかし、11月5-6日開催分のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)議事録の内容が思ったほどハト派に振れなかったため、ポンドは急反発。ポンドドルは1.5701ドルまでレンジ上限を拡大。ポンド円は、円安地合いも手伝って184.53円まで上伸した。
 
英MPC議事録では、政策金利は7対2で、資産購入枠は9対0で据え置きが決定されたことが示された。また、「少数のメンバーは利上げが正当化されると主張」、「見通しに関するリスクは均衡」との内容が明らかとなった。
 
ユーロドルは買い先行後に頭打ち。昨日のユーロ圏経済に対する前向きな指標結果が見直され、1.2548ドルまでショートカバーが先行したが、ポンド買い戻しが重しとなって伸び悩んだ。資源国通貨は上値の重い展開。欧州通貨に対して下落したことが影響し、豪ドル/ドルは0.8622ドル、NZドル/ドルは0.7839ドル、ドル/加ドルは1.1343加ドルまで資源国通貨安が進んだ。クロス円では、ユーロ円が147.51円と2008年10月以来の高値を更新した一方で、豪ドル円は101.34円まで安値を塗り替えるなど、円安の流れが下げ幅を限定的にしつつも、上値は重かった。そのほか、スイスフラン円は122.82円と32年ぶりの高値をつけた。