ロンドン市場 午前概況 円売り止まらず、GPIF運用計画変更も追い風

2014年10月31日 20:45

ロンドンタイム午前の為替相場では円売りが継続。日銀のサプライズ的な追加緩和を背景とした円売りが続く中、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が中期計画の変更を公表し、株式や海外市場への資金流入期待が高まったことも円売りに追い風となった。GPIFは、国内債保有比率を従来の60%から35%に削減し、国内外の株式保有比率をそれぞれ従来の12%から25%に増加するなどの、新たな運営比率を公開した。また、黒田日銀総裁は記者会見で、追加緩和は物価目標の早期達成を確かなものにするためであり、政策の余地は残されているとの見解を示した。
 
日銀の追加緩和を受けた地合いを引き継ぎ、円売りはとどまることなく継続。ドル円は2008年1月以来の高値を111.89円まで更新した。クロス円も一段高で、ユーロ円は140.65円まで上げ幅を拡大し、9月19日以来の高値をつけたほか、加ドル円は99.87円まで年初来高値を更新し、豪ドル円も年初来高値に迫る98.67円まで上昇した。また、ポンド円は178.97円、スイスフラン円は116.61円、NZドル円は87.90円まで上げ幅を拡大した。
 
円主導の相場展開となる中、対ドルでは方向感なく上下動。ドル円や米金利の上昇を背景に円以外の主要通貨に対しても一時ドル高圧力が強まり、ユーロドルは昨日の安値を下回る1.2540ドルまで下押した。この日発表されたユーロ圏10月消費者物価指数(HICP)は、前年比+0.4%と市場予想に一致した。昨日の独消費者物価指数が市場予想を下回ったことから、下押しへの警戒感もあったもようで、発表後は小幅ながらユーロの買い戻しが見られ、対ドルは1.25ドル後半に持ち直した。また、ポンドドルは1.5961ドルから1.60ドル前後、豪ドル/ドルは0.8785ドルを安値に0.88ドル前半に戻すなど、方向感は鈍い。
 
 
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