ロンドン市場 午前概況 円、株価に連動して上下動

2014年05月27日 19:59

ロンドン午前の為替市場では、株価の振幅にあわせて円が上下動。安く寄り付いた欧州株を眺めながら、本邦の追加緩和に対する懐疑論が意識されて円買いが先行した。ただ株価が後半に反発すると、円はそれまでの上昇幅をほとんど失った。
 本邦の金融政策に関しては、黒田日銀総裁の追加緩和に対する慎重な発言が続いているほか、昨日は岩田日銀副総裁が「物価が目標2%を超え続けるようなら現行の量的質的金融緩和政策を縮小する」と述べるなど、目標達成に向けて当局が自信を深めている印象がうかがえる。こうしたことを受けて、市場では追加緩和に対する懐疑的な見方が醸成されつつある。「すでに当局が量的質的緩和の出口戦略を議論し始めているのでは」との思惑も市場にはくすぶっているようだ。
 レバレッジ系の円買いが観測される中、ドル円は101.73円、ユーロ円は138.84円、スイスフラン円は113.63円までそれぞれ下げ幅を広げた。ポンド円は英銀行協会が発表した住宅ローン承認件数が3カ月連続で低下したほか、米ファイザーによる英アストラゼネカの買収断念も心理的な重しとなり、171.29円まで下落した。ただ欧州の主要な株価指数が下げ一巡後に前日比プラスサイドへ切り返すと、各通貨とも下げ幅を縮めた。
 ドルストレートは上値の重い展開。前半はクロス円での円買いの流れが波及したほか、後半はドル買いに傾いたことが重しとなった。ユーロドルは1.3639ドル、ポンドドルは1.6813ドルまで下落した。序盤に0.9278ドルまで高値を更新した豪ドル/ドルも、買い一巡後は伸び悩んだ。