ロンドン市場 午前概況 ロシア軍の侵攻で円高・ドル高

2014年08月28日 20:43

ロンドン午前の為替市場はランチタイムにかけてリスク回避に傾いた。ポロシェンコ・ウクライナ大統領はロシア軍がウクライナ東部に侵攻し、同地域の情勢が急速に悪化していると語った。同大統領はトルコ訪問を急きょ取り止めている。
 
欧州株式市場は下げ幅を広げ、米債や独債など安全資産には逃避的な買いが強まっている。独10年債利回りは本日も過去最低水準を更新。昨日、ヤツェニュク・ウクライナ首相が、ロシアが欧州への天然ガス輸送を停止する計画があるとロシアをけん制するなど、ロシア・ウクライナの首脳会談を経て、情勢はさらに悪化しているようだ。なお、ノバク露エネルギー相は同首相の発言を否定している。
 
発表されたスペインGDP確報値は前期比、前年比ともに速報値から横ばいだったが、スペインの8月消費者物価指数・速報値は前年比-0.5%となり、2009年以来の落ち込みとなった。市場予想は同-0.6%だった。ザクセンやヘッセ、ババリアなど独各州の消費者物価指数は前回値並で、インフレ圧力の一段の鈍化は確認できず。独失業者数は減少予想に反して増加し前回値は下方修正された。独失業者数は4カ月連続で増加している。
 
ユーロドルは1.3222ドルまで強含んだ後、1.3171ドルまで下げに転じている。欧州のインフレ率やドルの持ち高調整から、焦点はウクライナ情勢に移行した。ポンドドルは1.6614ドルまで上昇し1.6600ドル前後の壁の突破を試した後、1.6567ドルまで押し戻された。
 
豪民間設備投資の増加を背景に豪ドル/ドルは0.9374ドルまで上昇。昨日、NZ乳業大手フォンテラが中国企業との提携を発表した流れを引き継ぎ、NZドル/ドルは0.8408ドルまで上げた。ただ、金融市場がリスク回避に傾くなかで、いずれも伸び悩んでいる。
 
ドル円は103.56円まで下落。ユーロ円は136.43円、ポンド円は171.68円、加ドル円は95.32円、豪ドル円は96.78円、NZドル円は86.73円まで逃避的な円買いが優勢となっている。
 
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