ロンドン市場 午前概況 リスク回避一服、クロス円の一角で高値更新

2014年08月08日 20:54

ロンドン午前の為替市場はリスク回避の流れが一服。ドル円は101.51円まで下げた後に101.90円付近へ切り返した。関連市場では、軒並み下げて始まった欧州株が取引一巡後に下げ渋ったほか、昨年6月以来の低水準となる2.35%付近まで低下した米10年債利回りも、小幅にもち直した。
 
ドル円は、米長期金利が低下するなか、黒田日銀総裁の会見が行われた直後に101.51円まで下げ幅を拡大した。黒田総裁は会見で「上下双方向のリスクを点検し、必要なら調整する」と述べるにとどめ、追加緩和への示唆はなかった。緩和への期待感が市場の一部にあったこともあり、失望的なドル売りを誘った可能性はある。とはいえ、全体的な内容は新味に欠けたことから、手掛かりにはならなかった。ドル円は、下げ一巡後は101.90円付近へもち直した。
 
一方で、ユーロドルは序盤に1.3408ドルまで上昇幅を拡大した。ドル円の下落を受けたドル売りが下支えとなり、大台超えに観測されたストップの買いオーダーをつけて上伸した。ポンドドルはレンジ下限をわずかに拡大。英6月貿易収支の発表を控え、ポジション調整の売りに押されて、1.6796ドルと6月12日以来の1.68ドル割れを示現した。その貿易収支は、94.13億ポンドの赤字と市場予想から赤字幅が拡大したが、特に材料視されなかった。取引一巡後はポンドドルは1.68ドル前半でもち合った。
 
クロス円は底堅い展開。前半はドル安進行に伴い他通貨がしっかりしていたことがサポートとなり、後半はドル円が下値を切り上げたことが下支えとなった。欧州株が下げ幅を縮めるなか、ユーロ円は136.54円、スイスフラン円は112.50円までレンジ上限を広げ、ポンド円は171円前半、豪ドル円は94.50円近辺まで水準を戻した。
 
 
 
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