ロンドン市場 午前概況 ユーロ独歩安 底みえず
2015年03月11日 20:00
ロンドン午前はユーロが独歩安。引き続き欧州中央銀行(ECB)の量的緩和策の影響と、ギリシャ債務交渉への警戒感を理由に売りが持ち込まれた。欧州債券市場では、この日もユーロ圏中核国の国債に買いが先行し、独10年債利回りは一時0.2%を割り込んだ。ただ、株価が前日の反動もあって大きく上昇するなかで利回りの低下圧力は徐々に緩和した。それでも先安観の根強いユーロには断続的な売りが持ち込まれ、ユーロドルは1.0560ドル、ユーロ円は128.40円までレンジ下限を拡大する動きとなった。ユーロポンドも2007年11月以来のユーロ安水準を更新。ドラギECB総裁やプラートECB理事の発言が伝わったが市場の反応は鈍い。ドラギ総裁は金融政策の拡張が職責の範囲内であるとし、量的緩和がギリシャ問題の波及効果も和らげる効果があるとの見解を示した。
ポンドドルは英1月鉱工業生産や同製造業生産の予想比下振れで1.5037ドルまで売られたが、対ユーロでのポンド高がサポートになって下げ渋った。資源国通貨も豪ドル/ドルが0.76ドル前後、NZドル/ドルが0.72ドル半ば、ドル/加ドルは1.27加ドル付近で、ユーロクロスでの強含みがユーロ主導のドル高地合いを相殺した。
ドル円は121.63円まで高値を更新。序盤は割安感のある米国債に資金が流入し、長期金利が低下したために上値が抑制された。もっとも、ユーロ圏の利回り低下圧力や株価先物の反発で米金利が上昇に転じると、ユーロ安が先導したドル高を支えに下値を切り上げている。ドルインデックスは99.444まで一段高。