ロンドン市場 午前概況 ユーロ急落、量的緩和期待強まる

2014年05月15日 20:43

ロンドン午前の為替市場はユーロが下落した。ECB当局者のハト派な発言や、ユーロ圏経済の回復が想定よりも緩やであることが明らとなり、ECBが6月にも金融緩和に踏み切るとの期待が強まった。ユーロドルは昨日安値を下回って1.3651ドルまで下落したほか、ユーロ円は139.11円までレンジ下限を広げた。
 コンスタンシオECB副総裁が「さらなる緩和を排除しない」としたほか、メルシュECB理事は「想定されているよりも幅広い手段を検討している」と述べるなど、量的緩和に向けた地ならし的な発言が続いた。本日公表されたECB月報の専門家調査で、2016年のインフレ見通しが+1.7%から+1.5%へ下方修正されたことも、市場の緩和措置実施に対する自信を強めたもよう。13日には、米紙ウォールストリート・ジャーナルが事情に詳しい関係者の話をもとにして「専門家見通しで2016年のインフレ見通しが下方修正されれば、独連銀は追加行動を支持する意向だ」と伝えていた。
 この日発表されたユーロ圏1-3月期GDPは前期比で+0.2%と、市場予想+0.4%を下回る伸びとなった。4四半期連続のプラス成長でリセッションからの回復基調は続いているが、成長の勢いは限られているようだ。主要国では独がプラス成長だった以外は、フランス・イタリア・ポルトガルは横ばいまたはマイナス成長だった。
 ユーロ円の下落で、ドル円やその他のクロス円も伸び悩んだ。株式市場が調整含みとなったことも、ドル円やクロス円の上値を抑える要因となった。ドル円はロンドンタイム入りにかけて102.13円まで上昇したが、買い一巡後は101円後半へ押し戻された。豪ドル円も95円半ば、NZドル円は88円前半で上値が重くなった。
 そのほかでは、ドル/スイスフラン(CHF)はSNBによるユーロに対するスイスフランの上限引き上げとの噂から、0.8959CHFまでCHF安が進んだ。また、ポンドドルは1.6732ドルまでレンジ下限を広げる場面はあったが、対ユーロでのポンド買いが下支えとなって1.67ドル半ばでもち合った。
 
 
ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)