ロンドン市場 午前概況 ユーロ安、ECBの量的緩和への期待感が重し

2015年01月14日 21:24

ロンドン午前はユーロ安。欧州司法裁判所(ECJ)が「ECBの債券購入プログラム(OMT)は基本的に条約に沿う」と、OMTの妥当性を示したことで、改めて22日のECB理事会での量的緩和拡大への思惑が強まり、ユーロは下落幅を広げた。ドラギECB総裁のハト派な発言が伝わったことも、ユーロの重しとなった。また、原油・株安の流れが続く中で、リスク回避に伴う円売りポジションの解消も一部の通貨で続いた。
 
ユーロドルは、ECJの見解を控え買い戻しが先行し、1.1812ドルまでレンジ上限を拡大した。しかし、OMTの合法性が伝わると下げ転じた。これより先に、ドラギECB総裁が「国債購入の用意がある」、「責務を果たすために断固とした決意」との発言が伝わっていたこともあって、ユーロドルは1.17ドル半ばまで反落。この間、ほぼ一貫して軟調だったユーロ円が下方向のストップを巻き込んで、昨年10月28日以来の低水準となる137.02円まで下落幅を広げたため、この動きに触発されたユーロドルも、2005年以来の安値を1.1728ドルまで塗り替えた。その後は、市場予想を上回るユーロ圏11月鉱工業生産もあり、ユーロドルは1.1750ドル近辺、ユーロ円は137円半ばへそれぞれ下げ幅を縮小した。
 
ドル円も直近安値を更新。ユーロ円主導で円売りポジションを巻き戻す流れが継続し、先月の17日以来の安値となる116.54円をつけた。クロス円でも円買いが進行し、ポンド円は176.87円、スイスフラン円は114.09円までそれぞれ安値を塗り替えた。ただ、ドル円が116.50円のバリアオプションを前に下げ渋ると、クロス円も下げ渋った。
 
資源国通貨は底堅い展開。45.01ドルまで下げたNY原油先物が46ドル付近までもち直したことから、徐々に切り返した。ユーロクロスでの買い戻しが強まったことも下支えとなった。豪ドル/ドルは0.81ドル半ばまで反発し、ドル/加ドルは1.2017加ドルまで加ドル安に振れたあと、1.19加ドル半ばへ戻した。豪ドル円は95円半ば、加ドル円は97円後半までの戻りを試す場面があった。