ロンドン市場 午前概況 ユーロ下落、ECB要人が景気の下振れ認識示す

2014年12月08日 20:51

ロンドン午前の為替市場はユーロ安・円高。ユーロは、ユーロ圏経済の下ぶれを示唆する当局者発言を受け、欧州中央銀行(ECB)による追加緩和への思惑が強まった。また、ユーロ円の下落をきっかけとして、幅広い通貨に対して円を買い戻す流れが散見された。
 
ノボトニー・オーストリア中銀総裁が「景気は大幅に悪化しており、来年第1四半期のインフレ率が鈍化する」との見通しを示したほか、「ECBは欧州各国の国債購入に関して検討している」と語った。
 
ユーロドルは1.2247ドルと2012年8月10日以来の安値を示現。ユーロ円も、148.39円と東京タイムにつけた年初来高値149.79円から約1.5円近く下げた。独10月鉱工業生産が前月比で+0.4%と、9月の+1.4%から伸びが低下したことも、域内の成長減速への思いを強めた感じだった。
 
ユーロ円が下げ幅を広げる動きに連動して、ドル円やクロス円もレンジ下限を拡大。ドル円は、戻し気味だった米長期金利が上昇幅を縮めたことも影響して、121.03円まで下落。ポンド円は188.44円、スイスフラン円は123.39円、加ドル円は105.70円までそれぞれ円が買い戻される場面があった。
 
また、オセアニア通貨は下げ渋り。中国の貿易統計の内容がさえなかったことが引き続き意識され、豪ドル/ドルは0.8260ドル、NZドル/ドルは0.7624ドルまで下げが先行した。しかし、対ユーロでの買い戻しが支えとなって、売り一巡後は下げ幅を縮めた。