ロンドン市場 午前概況 ユーロは要人発言で下落

2014年11月17日 20:51

ロンドン午前はユーロ中心にドル高に振れた。メルシュECB理事が「必要に応じてより多くのことを行うことが可能」、「非伝統的措置、論理的には国債購入や金・株・ETFなどの資産が含まれる」と述べたことが、ECBの追加刺激策を想起させ、ユーロの上値を重くした。また、ユーロが対ドルで下げ幅を広げたことを通じて、幅広い通貨でドルが買い戻された。
 
ユーロドルは、東京時間の安値1.2514ドルを下抜けて、1.2482ドルまで下げ幅を拡大。145.50円付近までもち直していたユーロ円も、144.81円までレンジ下限を広げた。その他の通貨でもドル買いが進み、ポンドドルは1.5620ドル、豪ドル/ドルは0.8720ドル、NZドル/ドルは0.7910ドル、ドル/スイスフラン(CHF)は0.9624CHF、ドル/加ドルは1.1321加ドルまでドル高推移。
 
クロス円も上値が重くなり、ポンド円は181.10円、豪ドル円は101.26円、NZドル円は91.82円、CHF円は120.54円まで下落した。もっとも、米国の低金利状態が続くとの見方もくすぶっており、ドル買いが一方向に拡大しなかったことから、各通貨の下げ幅は限定的だった。
 
一方で、ドル円はドル買い戻しの流れを受けて、116.30円まで切り返した。しかし、クロス円の上値が重かったほか、もち直し気味に推移していた米長期金利の上値が抑えられたことで、ドル円の反発力も限られた。また、安倍首相の「GDP、いい数字ではない」、「アベノミクス、基本的には着実に成果をあげている」などの発言が伝わったが、市場の反応は限定的だった。