ロンドン市場 午前概況 ポンド安 対ドルは4月以来の安値示現

2014年08月19日 19:38

ロンドン午前はポンドが下落。英国立統計局が発表した7月の消費者物価指数が前年比ベースで+1.6%と、市場予想の+1.9%や前月の+1.8%を下回ったことが背景。同コアも市場の想定を下回ったことで、イングランド銀行(BOE)に緩和的な政策運営を継続させる余地があるとの見方が強まった。同時に発表された生産者物価指数も、算出ベースで前年比マイナスに鈍化。さらに小売物価の伸びも鈍化するなど、総じて冴えない内容だった。先週の英四半期インフレ報告における、ハト派な見通しを手掛かりに売りが加速していたポンドは、週末のカーニー総裁の引き締め開始時期に関する見解で下げ止まりをみせていたが、下値模索を再開させた格好。発表前から売りが先行していたポンドは、対ドルが1.6635ドルまで一段安。4月8日以来の安値を示現したほか、ポンド円は170.71円まで下値を拡大。対ユーロでもポンド売りが強まった。カーニー総裁の金融政策に関する発言に統一感がないことで、市場参加者からは中銀への信頼が失墜しているとの批判もある。政策意図が読みきれないことで、今後もポンドが神経質な展開を余儀なくされる可能性はありそうだ。
 
ユーロドルは対ポンドでのユーロ高に支えられながらも、1.33ドル半ばで年初来安値を見据えた底練りを継続させた。豪ドル/ドルは0.93ドル半ば、NZドル/ドルは0.84ドル半ばでまちまち。NZの成長見通し引き下げを受け、一時、昨年12月以来の豪ドル高・NZドル安水準をつけた豪ドル/NZドルの動意も一服した。
 
ドル円は102.68円まで上値を拡大。英CPIの下振れを受けて英長期金利が低下し、その影響を受けて独10年は再び1%割れを示現。米長期金利にも低下圧力がかかるなかではあったが、ポンド下落やユーロの上値の重さを受けた相対的なドル高が支えとなった。地政学的リスクの懸念後退を背景に、先進国の株高が続いていることも上方向への見通しを改善させている。ユーロ円は136.88円まで売りを先行させた後、137円の大台を回復。豪ドル円は95.89円まで高値を塗り替えるなど底堅く推移した。
 
 
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