ロンドン市場 午前概況 ドル軟調、円売り先行も続かず

2014年06月13日 19:55

ロンドン午前の為替市場はドルが小幅安。目立った材料はなかったが、英国の早期利上げ観測を受けてポンドが一段高となったほか、ユーロにも買い戻しが入ったことで、相対的にドルが弱含んだ。米長期金利が低下気味に推移したこともドルの上値を重くした要因。ただ、豪ドルやNZドルに対しては、足元の下落の反動で買い戻しが入るなど、ドル安が一方向に広がるような展開にもならず、方向性は今一つ明確にならなかった。
 ポンドドルは上昇幅を拡大。カーニーBOE総裁の発言を受けた早期の利上げ期待が下支えとなり、ポンドドルは1.6992ドルまで高値を更新した。ただ、1.7000ドルに設定されたバリア・オプション関連の売りに押されて2009年8月以来の大台回復には至らず。買い一巡後は1.6960ドル付近へ下げてもち合った。ユーロドルは、ポンド高の流れに連動して、1.3579ドルまでレンジ上限を広げる場面があった。
 一方で、豪ドルやNZドルには調整売りが入り、豪ドル/ドルは0.9378ドル、NZドル/ドルは0.8646ドルまで下げた。
 ドル円・クロス円は、上昇一巡後に押し戻された。アベノミクスによる法人減税の話題が尾を引き円売りが先行した。ドル円は102.10円、ユーロ円は138.55円まで上伸した。ただ、黒田日銀総裁が金融政策会合後の会見で「質的・量的緩和は所期の効果を発揮している」、「上下双方向のリスク要因を点検、必要ならちゅうちょなく調整」と述べるにとどめ、追加緩和期待を強めるような発言がなかったことから、その後は円高に振れた。ドル円は101.80円台、ユーロ円は138.20円付近まで押されて、東京タイム午後の上昇幅を失った。