ロンドン市場 午前概況 ドル円102円割れ、好調な雇用でポンドは高い

2014年06月11日 20:45

ロンドン午前の為替市場はポンド高・円高。ポンドは、本日発表された雇用指標が好調だったことで、英国経済に対する信頼が高まったほか、イングランド銀行による早期の利上げ期待が意識されたことが手掛かりとなった。一方で、明日から始まる日銀金融政策決定会合が追加緩和を後押しする内容にならないとの失望的な見方から、円は買い戻された。
 英5月失業者数は-2万7400人と、市場予想-2万5000人を上回る減少幅だった。また、国際労働機関(ILO)ベースの失業率は6.6%と市場予想6.7%より改善し、約5年ぶりの低水準となった。同時に発表された週平均賃金は、伸びこそ緩やかだったが引き続き増加傾向を示した。
 結果を受けて、ポンドドルは1.6798ドル、ポンド円は171.81円まで上昇幅を広げ、ユーロポンドは0.8054ポンドと、2012年12月以来のポンド高水準をつけた。ただ、ポンド円はその後の円買い戻しに押されて170.99円まで反落するなど多少荒っぽい値動きだった。ユーロは軟調。英国とユーロ圏の金融政策をめぐる方向性の違いがユーロの上値を重くし、ユーロドルは1.3520ドル台まで低下した。ユーロ円は、円買い戻しの流れも加わり137.97円まで安値を塗り替えた。ドル円は、ユーロ円の下げ幅拡大に引っ張られたほか、米長期金利の上昇が一服したことも重なって、101.92円まで下押しした。
 そのほかでは、オセアニア通貨は底堅い展開。豪ドル/ドルは0.9403ドル、NZドル/ドルは0.8575ドルまで上伸。豪ドル円は95円後半、NZドル円は87円半ばでいく分上値の重さを意識しながらもち合った。