【視点】 ドル円に下押しリスク 欧米の株価動向に警戒

2014年04月07日 16:24

外為どっとコム総研・研究員 石川久美子氏
 
ドル円に下押しリスク 欧米の株価動向に警戒
 
 明日に日銀金融政策決定会合、9日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表を控え、米雇用統計後の谷間の時間であることからドル円は目先動きにくくなることも想定される。ただ、主要国の株価の動向が若干気掛かりである。特に米市場では先週末、雇用統計の結果を受けて買いが先行し、ダウ平均やS&Pは史上最高値を更新したが失速。ナスダックも値を崩すなど軟調な展開となった。目先のイベントを通過したことで利益確定の売りが強まったこともあると思うが、ここまでハイペースで上昇してきた米株価が下落したことでドル円も104円台から調整を強いられたことを考慮すれば、こうした流れが今日も継続するようだとドル円は下値を模索する可能性があるのではないか。
 明日の日銀会合後の黒田総裁会見は初めてリアルタイムで放送されることから注目度も上がっている。消費税の引き上げが始まって間もないことから、総裁がこれまでの主張を崩して目先の追加緩和の可能性を示唆することはないと思われる。今会合で追加緩和を予想する参加者はほとんどいないが、追加緩和が示唆されない限りは基本的に円高方向へバイアスがかかりやすだろう。
 テクニカル的にドル円は、20日移動平均線を用いたボリンジャー・バンド上で3月末から+2σ(シグマ)付近で上値を抑えられる展開が続いていた。先週末に+2σの水準から離れる動きが確認されたため、今日の欧米市場で株安が強まりドル円に下押し圧力がかかれば、20日移動平均線や60日移動平均線が推移する102.60円前後まで下げ幅を拡大させる展開があってもおかしくないのではないか。