【視点】 ドル円、FRB議長の微調整で素直に反応しやすい

2014年04月04日 17:02

米雇用統計は基本的に強い数字を予想している。当初、イエレンFRB議長がFOMC後の会見で、利上げ開始時期はQE終了から6カ月後と述べたため、良すぎる雇用統計の内容は金利の不安定化を招いて市場のリスク要因になると思っていたた。ただ、今週の講演で議長が自身の見解に微調整を加えたため前述の懸念は後退したと考えており、良好な結果に素直に反応しやすくなったといえそうだ。ただ、ドル円は期待先行もあってすでに104円台まで上昇してしまっており、イベント通過で売られる展開も考えられるため、指標の内容をつぶさに確認していく必要があるだろう。一方、オバマケアの与える影響には一抹の懸念が残る。一定規模の事業者に対して保険の提供を義務付けたことで、コストの増加が雇用者獲得の機会を奪っていた可能性も考えられる。年初の就業者数の下振れが寒波だけでなく、こうした面も影響していたことが意識されるような展開になればドル円の下振れリスクは増すことになるだろう。