【見通し】(NY市場 株式) 5月雇用統計にかけての経済指標に注目
2014年06月02日 21:22
今週の米国市場は堅調な展開か。足元は景気に対する楽観ムードが続いている。5月後半の流れが続くポイントとしては、週末発表の5月雇用統計にかけての経済指標が注目される。経済指標の結果次第では、景気敏感株への物色の流れが強まる公算が大きく、指数の高値更新の原動力となるだろう。
一方、ダウ平均の直近20年間(1994-2013)の月間平均騰落率をみると、6月は-0.8%と8月(-1.04%)に次いで12カ月中でワースト2位。昨年はFOMCで当時のFRB議長バーナンキ氏が会見で、経済が予想通りに改善すれば今年後半に量的緩和策の縮小を開始するのが適切、2014年半ばに終了させる可能性があるとの見解を表明したことで、ダウ平均は200ドル程度下落。翌日は中国のクレジットバブル崩壊の可能性も警戒され、2日間で550ドル超の下落幅を記録した。今年も5月の勢いが前半は続きながらも、その反動で後半は調整を強いられるシナリオなども考えられる。
30日のNY株式相場はまちまち。米国の緩やかな景気回復に対する期待が相場を下支えした。ダウ平均とS&P500は過去最高値を更新。ダウ平均は半月ぶりに過去最高値を塗り替え、前営業日比18.43ドル高の16717.17ドルで終了した。
米主要株価指数は序盤から方向感に乏しい展開。取引時間前に発表された4月の米個人消費支出が市場予想(前月比0.2%増)に対して前月比0.1%減と予想外の減少となったことから、景気敏感株中心に上値の重い動きとなった。その一方で、5月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が65.5と市場予想(61.0)を上回る高水準となり、相場を下支えした。ただ、全体的にはMSCIのリバランスに伴う売り買いが交錯し、出来高が急増。さらに週末に加え、月末ということでポジション調整が強まり、引けにかけて指数は軒並み買いが優勢となった。