【見通し】(東京市場 為替) FOMC後のドル高・円安地合い維持

2014年12月18日 08:02

NYタイムはドル円が上昇。前半は、一部報道が「クーレECB理事が大規模な資産購入が来年始まると示唆」と報じたことでECBによる量的緩和が想起され、ドル円は117円前半で底堅く推移した。後半は、米連邦公開市場委員会(FOMC)結果やイエレンFRB議長の会見を通じ株高・債券安によるリスクオンが強まり、ドル円は118.91円まで一段高。また、ロシアルーブル反発でリスク回避ムードが和らいだことも、円の上値を重くした。クロス円もしっかり。ユーロ円は146.73円、ポンド円は185.03円、スイスフラン円は122.22円、豪ドル円は96.64円、NZドル円は91.92円、加ドル円は102.06円まで上伸。一方で他通貨はドルに対して下落し、ユーロドルは欧米の金融政策の方向性の相違が意識されて、約1週間ぶりの水準1.2321ドルまで下落した。
 
東京タイムのドル円は、FOMC後のドル高・円安地合いを維持し推移するだろう。FOMC声明ではゼロ金利政策の方向性・継続期間を示唆する「相当な期間」との表現をこれまでの位置から削除し、2004年の利上げへ向かう時期にも使用した「辛抱強く」との文言に差し替えた。そのうえで続きの部分に「相当の期間」の文言を付記する絶妙な対応が施されている。ドルや金利は利上げへの方向性に背かなかった部分に上昇で反応し、株はこれまでのハト派的な文言を一部残した景気への配慮を好感し買われた。いいとこ取りの部分もあるが、FRBの対応に市場もうまく乗った感じだ。ただ、イベントを控え、ここまでドルの調整が進んだ後の戻りということもあり、やれやれの感で利益確定ほかポジション調整の動きが強まる場面もありそう。もっとも東京タイムの材料自体は大きな動意につながりそうなものが見当たらないため、本格的な動き出しは欧州で注目の高い独12月Ifo景況感指数、そして英11月小売売上高の発表や、その先回りの売買が強まる欧州入りにかけて以降だろう。本日から始まる今回の日銀金融政策決定会合は、市場に大きな変動を与えそう要因にはなりにくいだろうが、一応の様子見姿勢は誘いそうだ。