【見通し】(東京市場 為替) ECB控え様子見、リスク選好が強まる期待も

2015年01月22日 08:00

NYタイムはドルが底堅かった。米連邦準備理事会(FRB)と他の主要中銀との金融政策の温度差が意識された。ユーロはECB理事会を控えたポジション調整で乱高下。「ECB役員会が2016年末まで月500億ユーロの量的緩和を提案した」との一部報道をきっかけに一時1.15ドル半ばまで下落した。しかし購入規模への思惑は交錯しており、瞬間的に1.1680ドルまで切り返す場面も。とはいえ、ユーロ圏の量的緩和拡大の方向性は変わっていない。上昇一巡後は1.15ドル後半へ押し戻され、ユーロ円も一時135.81円までレンジ下限を広げた。
 
加ドルは予想外の加政策金利引き下げから、ドル/加ドルは2009年4月以来の水準1.2394加ドル、加ドル円は95.07円まで加ドル安に。加ドルに連動し、他の資源国通貨も軟調だった。ドル円は117.18円へ下押す局面もあったが、下げが先行した米株価が持ち直すと一時118円前半へ反発した。
 
東京タイムはイベント限定のなか、注目のECB理事会を今夜に控え、様子見ムードが強まるか。大きな材料を前にポジション調整が進む可能性もあるが、本格的な調整は欧州勢の参入以降と考えられ、東京タイムは動きが鈍そう。ECBの緩和へ前向きな姿勢が株高などリスク選好につながれば、為替もリスクオンの円売りで反応する展開は期待できる。欧州の金融緩和がユーロ下落を通じたユーロ円の円買いにつながり、株価の上値を重くするとの指摘もあるが、「それは欧州債務危機の際におけるリスク回避のユーロ安をだぶらせており、リスク選好のなかでユーロ安が進んでいる足元の状況と分けて考えたほうがいい」(シンクタンク筋)という。