【見通し】(東京市場 為替) 週前半の注目イベントこなすも、方向感鈍い

2015年02月19日 08:05

NYタイムはドルが下落。米金利低下による日米金利差拡大の意識は円買いにもつながった。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が市場の想定以上にタカ派色の薄い内容となったのが背景。ドル円は118.55円まで下落。米長期金利の急低下による円高も重しとなった。ユーロドルはじり安でつけた1.1334ドルから1.14ドル台まで反発。ギリシャ政府がユーロ圏に融資延長の申請を行うと発表したこともあり、欧州中央銀行(ECB)はギリシャ国内向けの緊急流動性支援(ELA)の683億ユーロへの拡大を承認した。豪ドル/ドルは0.7839ドル、NZドル/ドルは0.7573ドルまで上値を伸ばし、ポンドドルは対ユーロでのポンド高も後押しに1.5480ドルまで一段高で推移した。
 
東京タイムは日経平均株価の動向を眺めながらの展開も、動意は薄いか。週前半の注目材料をこなすも、方向感は鈍い。日銀の金融政策決定会合・黒田総裁の記者会見にサプライズはなく、ほぼ無風で通過。先週に日銀関係筋の追加緩和への否定的な見解が報じられたことから、総裁会見に注目は集まったが、同総裁は「必要に応じて躊躇(ちゅうちょ)なく政策調整を行う」との見解に変化はなく、昨年10月の追加緩和についても「マイナス効果があるとは全く思っていない」と発言した。また、FOMC議事録では、「多くのメンバーがゼロ金利の長期化観測に傾く」と指摘し、時期尚早な利上げは景気回復の腰を折りかねないとの懸念が示された。主要国が緩和姿勢を維持している中、FRBの早期利上げによるドル一段高も懸念されているだろう。同議事録は、市場の年央の利上げ開始への思惑を後押しする内容とはならなかった。テクニカル的にドル円は日足一目・基準線(118.17円)付近を支えに118円台での動きとなるか