【見通し】(東京市場 為替) 短期調整一服でドルがもち直すか注視

2014年12月02日 08:00

昨日のドルは高値警戒感から上値が重くなった。格付け会社ムーディーズが本邦格付けを引き下げたことで、119.15円まで年初来高値を塗り替えていたドル円は、117円後半まで反落した。一方で、ユーロドルは1.2507ドル、ポンドドルは1.5764ドルまで強含んだ。ドルの調整に伴い原油価格が反発したことで、加ドルにも買い戻しが入り、ドル/加ドルは1.1314加ドルまで加ドル高が進んだ。ただ、米11月ISM製造業景況指数が好調だったことから、ドル下落の勢いも限られた。
 
東京タイムでは、ドルの調整地合いが一服してもち直すかどうか注目される。無風通過となりそうな今週の欧州中央銀行(ECB)理事会を前にユーロのショートカバーの巻き戻しが強まりそうな雰囲気があることから、目先ドルの上値が重くなる可能性は否定できない。ドル円も、株価動向をにらみながら下値を探る流れが先行しそうである。
 
ただ金利市場では、ユーロ圏の1年後のインフレ率がマイナスになるとの観測が広がるなど、ECBへの緩和期待は根強いままである。また、ハト派のダドリーNY連銀総裁が「来年のある時点で利上げすることが好ましい」との見解を繰り返すなど、米国の出口戦略への思惑は変化しておらず、ドルの下値は限られるだろう。その他では、豪州で住宅建設許可や豪準備銀行(RBA)理事会が予定されているため、豪ドルの動向も注視したい。金融政策については、現状の金利水準が維持され、声明文も「金利の安定期間が賢明」との従来通りの内容となる見込み。