【見通し】(東京市場 為替) 海外の水準を引き継いで米雇用統計前のこう着に

2015年03月06日 08:06

NYタイムは、ユー安・資源国通貨安を背景にドル全面高。米新規失業保険申請件数は9カ月ぶりの高水準、米1月製造業受注指数は前月比プラス予想に反し-0.2%と米指標はさえなかったものの、ドル売りは強まらなかった。ユーロは、欧州中央銀行(ECB)が3月9日開始の国債購入について、状況次第で終了予定の2016年以降も継続する可能性を示唆。成長見通しの上方修正を好感し、ユーロが強含む場面もあったものの買いは一時的だった。ユーロドルは1.1115ドルを高値に1.0988ドルと2003年9月以来の1.10ドルの大台割れ、ユーロ円は133.58円を上値に132.13円まで弱含んだ。ポンドドルは1.5215ドルまで小幅に下押し、ポンド円は183.73円を頭に182円後半に水準を切り下げた。スイスフラン(CHF)も軟調。対ドルで0.9750CHF、対円で123.22円までCHF安となった。
 
資源国通貨は、NZ準備銀行の新たな不動産投資規制をめぐる思惑が引き続きNZドルの上値を圧迫。NZドル/ドルは0.7454ドル、NZドル円は89.62円まで下げ幅を拡大した。豪ドル/ドルも0.7754ドル、ドル/加ドルは1.2519加ドル前後までドル高・資源国通貨安。豪ドル円は93.18円、加ドル円は95.96円まで下落した。
 
東京タイムは、動意につながりそうなイベントに乏しい。海外の動意で行きついた水準を引き継ぎ、今夜に米雇用統計を控えたこう着状態が続きそうだ。米雇用統計次第で、昨日の欧米タイムに進んだドル高が一気に巻き戻される可能性もあり、動きが取れない。ハト派ながらここもと米利上げについて前向きな発言をしたウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁の講演も予定されているが、本日は動意につながりにくいだろう。取引が薄いなかで上下に振れても強い方向感は出ないと考えられる。