【見通し】(東京市場 為替) 株価が節目割れなら、円買い強まるか

2015年01月06日 08:09

NY為替市場では円が上昇。NY原油先物は、50ドル割れまで下落し2009年以来の安値を更新。エネルギー価格下落に伴う産油国の経常収支の悪化や、石油関連企業の先行き不安などマイナス面が意識され、株価が大きく下げたことが円買いを促した。ドル円は119.38円、ユーロ円は142.32円、豪ドル円は96.55円、加ドル円は101.25円までそれぞれ下落。一方、ユーロドルは1.19ドル割れまで下押し後に、1.19ドル前半へ切り返した。12月の独消費者物価指数(CPI)速報値は一段と鈍化したものの、これに先立って発表された各州のCPIから結果が想定内だったこともあり、為替市場への影響は限られた。
 
本日は、株価動向をにらみながら、昨日のリスク回避ムードが継続するのか注視したい。海外株式が原油安の影響から大幅安となった流れを受け、本邦の株式市場もリスクを敬遠する動きが先行しそうである。海外時間で、ある程度株安を織り込んではいるが、日経平均株価が前月17日以来の17000円の節目を割り込むようなら、円買いが強まる可能性はある。ドル円・クロス円は上値の重さが意識されやすい展開だろう。
 
東京タイムは豪貿易収支が発表される。市場のテーマが欧米の金融政策や原油価格の動向に移っており、同結果が材料にはなりづらい。しかし、中国向け輸出などがさえない内容になれば、中国経済を通じて世界経済に対する不安が想起され、リスクオフの流れが強まることも想定される。念のため結果には気を配りたい。ただ、日米の金融政策の方向性が違うことによる円安への意識もあって、ドル円・クロス円が大きく調整するイメージも少ない。下値はある程度限られるだろう。