【見通し】(東京市場 為替) 日銀の結果公表前後、円相場の動意は拡大へ

2015年01月21日 08:00

昨日の海外市場でドル円は118円後半まで反発局面が継続。スイスフラン・ショックからの立ち直りが続いている。日銀金融政策決定会合の結果発表を控え、円が売られた。現状で日銀の物価目標達成は難しく、追加策が必要とみられている。米利上げ観測もドル買いの背景。ユーロドルは1.15ドル半ばまで下落。欧州中央銀行(ECB)理事会で国債など購入対象資産の拡大が決定される見通し。原油安で加ドルは軟調に推移し、対ドルで2009年以来の安値を更新。インフレ率が一段と鈍化し、NZドルも売られている。
 
本日、日銀は金融政策決定会合の結果発表を行う。昨年10月に公表された日銀展望レポートの中間評価も公表される。市場予想では金融緩和策の据え置きが大勢だが、日銀当座預金の超過準備に対する0.1%の付利引き下げ観測が再浮上している。変更せずに掲げられている物価目標からすると遅かれ早かれ追加緩和は避けられないとの見方が多い。量的緩和の限界が見えつつあり、選択肢も狭まってきているなかで、日銀が置かれている状況はかなり窮屈だ。黒田日銀特有のサプライズに対する市場参加者の構えも以前よりは整っている。
 
今回、日銀が追加緩和に踏み切るとの見方は少数だ。昨日の値動きのなかでも思惑交じりの円売りは限られていたと思われるが、下向きの21日移動平均線を控えてドル円が押し戻される展開は想定しておきたい。