【見通し】(東京市場 為替) リスク回避ムードを意識した流れが継続か

2015年01月07日 09:44

NY市場では原油安・株安のなか、円買いが優勢だった。ドル円は先月17日以来の安値となる118.05円を示現し、ユーロ円は140.76円、ポンド円は179.25円、加ドル円は99.92円、豪ドル円は95.69円まで下げた。一方、ユーロドルは1.1960ドル付近まで反発する場面があった。ドル円の下落や、米ISM非製造業景況指数と同製造業受注指数が弱かったことに伴うドル売りが支えとなった。ただ、買い一巡後は1.18ドル後半へ押し戻され、軟調地合いに変化は見られなかった。また、本日オセアニアタイムには1.1842ドルと2006年2月以来の安値を更新している。
 
米長期金利は、原油安による世界的なインフレ見通しの低下や、ギリシャのユーロ離脱をめぐる問題を嫌気して、昨年10月以来の水準まで低下し、ダウ平均も先月17日以来の水準まで弱含んでいる。参加者の安全志向が進むなか、円買い圧力も継続しており、ドル円・クロス円は上値の重さが意識されやすい。
 
本日は、週後半の米雇用統計の前哨戦となるADP全国雇用者数の発表のほか、量的緩和第3弾の終了を決めた昨年12月16-17日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。これらの結果を受けて、市場の関心が米国の金融政策に回帰するとの考え方もできるため、アジアタイムでは円買いがちゅうちょされる可能性はある。ただ、米国の年内利上げはある程度織り込まれているほか、直近の市場ムードを踏まえれば、円売りの流れも強まりづらい。株価動向を眺めながら、リスク回避ムードを引きずった展開が見込まれそうである。