【見通し】(東京市場 為替) ドル高・円安続く、要人の牽制発言には警戒

2014年12月08日 08:16

先週末のNYタイムではドルが全面高。11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想以上に増加し、約3年ぶりの大幅な伸びを記録した。前月比で賃金の伸びが加速し、雇用環境が引き締まる兆候もみられた。政策金利見通しを反映しやすい米2年債利回りは0.63%台まで上昇し、2011年4月以来の高水準をつけている。ドル円は121.69円まで急伸し2007年7月以来の高値を更新。ユーロドルは1.2271ドル、ポンドドルは1.5569ドル、豪ドル/ドルは0.8315ドルまで下げ、それぞれ年初来安値を更新した。ドル円の上昇に追随し、ユーロ円は149.51円、ポンド円は189.71円、加ドル円は106.42円、NZドル円は93.98円まで上昇。いずれも年初来高値を塗り替えている。
 
東京タイムでは先週末のドル高の流れを引き継ぎ、ドル円は上値模索の動きが続きそうだ。強い米雇用統計を受けて、米当局による早期利上げ期待感が一段と高まった。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、声明文における「相当な期間」との文言が削除される可能性も高まっており、足元ではドルが買われやすい地合いが続くだろう。また、衆議院選挙で与党の圧勝が見込まれることも、円安相場の下支えとなり、ドル円の調整による下げの余地はかなり限られそうだ。ただ、急ピッチで進んだ円安に対し、本邦要人からの「口先介入」が強まる可能性はあり、上値を追うには警戒も必要か。14日の衆議選投開票に向けて、相次ぐ野党からの円安批判に対して、与党が「円安の利点」をどう強調するかも注目したい。
 
東京タイムでは、本邦7-9月期GDP改定値の発表が予定され、速報値からの上方修正が見込まれている。ただ、上方修正されても2四半期連続のマイナス成長が予想され、為替相場への影響は限られるか。