【見通し】(東京市場 為替) ドル高・ユーロ安、動意一巡後の基調反転に留意

2015年01月23日 08:03

欧米タイムはドル高・ユーロ安。金利正常化が意識される米国と、緩和姿勢が続く多くの主要国との温度差をテーマにしたドル高が意識された。欧州中央銀行(ECB)が民間および公的部門の証券を月額600億ユーロ購入する追加緩和策を決め、ユーロドルは1.1316ドルと2003年9月以来の安値を付け、ユーロ円も134.28円まで下落した。ドル円はしっかり。117.25円までレンジ下限を広げる場面もあったが、1.80%付近へ低下していた米長期金利が1.90%付近へ戻したことを手掛かりに118.67円まで切り返している。
 
東京タイムは海外市場からのドル高・ユーロ安推移が続くだろう。中国1月HSBC製造業PMI・速報値(予想49.5、前回発表値49.6)の結果がリスク選好の地合いに与える影響も、本日は大きな流れを作り出しにくいと思われる。ECBによる公的証券を含む600億ユーロの債券購入は、事前報道に多く見られた購入額500億ユーロと実質的に違いはないようだが、ヘッドラインの印象を強めた。期間は少なくとも2016年9月末までとめどを示したが、ドラギECB総裁は「中期的なインフレ目標と整合性があると確認できるまで実施する」と述べ、打倒ディスインフレへの強い姿勢を示した。事実上デフレ懸念が払しょくできるまでのオープンエンドと捉えられている。ただ、「市場はECB追加緩和を相当程度織り込んだ」(邦銀筋)との見方もある。東京タイムに海外からの流れが一巡すれば、週末を控えたポジション調整のユーロ買い戻しが強まることも考えられる。ギリシャ総選挙を控えていることも、調整による基調反転を誘う要因となる。欧州勢が参入してくる際の動意に留意したい。