【見通し】(東京市場 為替) ドル円、利益確定売りも押し目買いも入りやすい

2014年12月10日 08:04

NYタイムでは、蓄積されていた円売りやドル買いポジションがロンドンのフィキシングにかけて急速に巻き戻された。アジア市場から続いていた、関連市場のリスクオフムードが米株安・債券高(利回り低下)によって加速したことがきっかけ。中国当局によるレポ取引への規制強化や、ギリシャの政情不安もネガティブな材料と捉えられた。ドル円はストップロスの売りを次々と巻き込みながら一時117.90円まで下げが加速したが、切り返しにも相応のスピードがあり、関連市場のリスクオフ傾向が緩むとドル円は終盤にかけて119円後半まで持ち直すなど乱高下。ユーロ円は146.80円、ポンド円は185.20円、スイスフラン(CHF)円は122.17円、豪ドル円は98.56円、NZドル円は91.40円、加ドル円は103.47円まで大きく日通しの安値を更新した。
 
ドル円は昨日に大きく調整が進んだこともあり、週末の総選挙や来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、様子見ムードが広がる可能性はある。欧米株安を背景に、日経平均もさえない動きが見込まれるが、織り込んでいる部分も反応は限られるか。ただ、中国経済の先行き不透明感などを背景としたリスク回避の動きには警戒が必要。本日の東京タイムでは、中国11月の消費者・生産者物価指数の発表が予定されている。
 
急ピッチでドル高・円安が進んだだけに、下げ局面では売りが売りを呼び、利益確定売りが入りやすくなっている。一方で、ドル円の先高観は根強く、一旦下げ渋ると押し目買いや買い戻しで戻りも急速。来週のFOMCでは、声明文における「相当な期間」との文言が削除される可能性も高まっているが、米金利見通しをめぐっての不透明感は強い。景気とディスインフレ懸念のバランスをどう考えるかが、当局者の大きな課題となっている。
 
 
 
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