【見通し】(東京市場 為替) ギリシャ問題めぐるリスク回避が拡大するか注視

2015年02月05日 08:00

昨日はドル安・他通貨高の流れが巻き戻された。原油価格の反落やギリシャ問題の進展が見られなかったほか、米経済指標も底堅い数字が並ぶなど、一昨日のドル安の流れを作り出したファクターが逆に振れた。ユーロドルは1.1315ドルまで反落した。欧州中央銀行(ECB)がギリシャ国債に対する適格担保の特例措置の解除を決め、ギリシャの資金調達をめぐる不安が強まったこともユーロの重しとなった。中国の預金準備率の引き下げを通じて一時買われたオセアニア通貨も失速。豪ドル/ドルは0.7850ドルを頭に0.7743ドルへ沈んだ。株価や米金利の上昇が一服したことで円売りの流れも和らぎ、ドル円は117.07円、ユーロ円は132.55円、豪ドル円は90.73円までそれぞれ下落した。
 
原油価格の底割れの恐怖がいったん後退し、投資家マインドのもち直しが期待されたが、その流れは続かなかった。需給バランスが大幅に改善しておらず、原油の反発が今後も継続するかどうかは不透明である。また、ギリシャの資金調達能力に対する不安が再燃していることや、米経済成長のスピード鈍化への懸念など投資家は慎重姿勢を崩せていない。
 
これらの点を踏まえれば、足もとのリスク回避ムードが完全に払しょくされたとは言い切れず、円買い余地はまだ残っていると思われる。東京タイムには目立った材料が見当たらず、株価動向を眺めながら、昨日の終盤に強まったリスク回避ムードが広がるのか、それとも小康状態となるのかを見極める展開になるだろう。