【見通し】(東京市場 為替) ギリシャでは反緊縮派が勝利、円高圧力に

2015年01月26日 08:26

先週末の海外市場で、ユーロドルは1.11ドル前半まで下落し、2003年以来の安値を塗り替える展開が続いた。欧州中央銀行(ECB)が量的緩和(QE)の強化に踏み切ったことや、ギリシャ総選挙を控えた警戒感からユーロが売られた。ユーロ円は一時131円を下回り、2013年10月以来の安値を更新している。ドル円も117円半ばまで水準を切り下げるなど、全般的に円高に振れた。資源国通貨は対円・対ドルで軟調に推移。
 
本日はギリシャ総選挙後の流れを見定めることになりそうだ。今回の選挙では最大野党である急進左派連合が事前予想通り勝利し、第1党に躍進した。欧州寄りだった前政権から一転して反緊縮派の与党が誕生する見通し。選挙結果があらかた判明した後、急進左派連合の党首であるツィプラス氏は「(欧州などからの)支援がギリシャの終わりとなった」と述べた一方で、「債務に関して交渉・協力する用意がある」と語った。事実上難しいが、ギリシャのユーロ圏からの離脱をほのめかしつつ、新たな債務交渉が始まる見通し。
 
ギリシャ総選挙をめぐる現時点までの動きは市場参加者の想定内である。今後は欧州委員会や国際通貨基金(IMF)、ECBなどギリシャ支援を進めてきた側と、ギリシャの反緊縮与党の動向を随時消化していくことになる。ユーロ安圧力が持続し、円高方向に振れやすい期間が続きそうだ。