米下院、オバマケア阻止盛り込んだ暫定予算案可決 議会の機能不全鮮明

2013年09月21日 06:48

[ワシントン 20日 ロイター] - 米下院は20日、政府機関に対する予算を10月1日から12月15日まで手当てする一方、医療保険制度改革法(通称オバマケア)への予算打ち切りを盛り込んだ法案を可決した。
 
法案は賛成230、反対189の賛成多数で可決。民主党が過半数を握る上院に送られる。
 
上院は来週から審議を開始する。だが上院のリード民主党院内総務は「オバマケアの資金凍結もしくは実施延期を盛り込んだ法案は承認しない」と言明しており、医療保険制度改革法案に関する文言を削除し、修正案を下院に送る見通し。
 
9月30日までに予算案が成立しない場合、連邦捜査局(FBI)、教育省、国防総省、米環境保護局(EPA)などの政府機関は閉鎖に追い込まれる。
 
期限直前まで続く瀬戸際の交渉劇は首都ワシントンではもはやおなじみの光景となっており、米議会の機能不全が鮮明だ。
 
オバマ大統領はこの日、ミズーリ州リバティにあるフォード・モーター 工場で演説し、「共和党は国民のことを考えていない。頭にあるのは政治と私の邪魔をすることだけだ」と批判した。
 
一部の共和党幹部は、指導部が党内保守派の説得に手間取っており、明確な戦略がないようだと明かす。
 
ある共和党議員は、上院がオバマケアに関する箇所を削除し、現在の歳出水準を維持するつなぎ法案を予想通り下院に差し戻した際、ベイナー下院議長はどう対応するのかとの質問に対し「指導部の考えは分からない。指導部も分かっていないと思う」と答えた。
 
ギリギリの折衝は、10月中から11月初旬に期限を迎える連邦債務の上限引き上げ問題でも続く。ここでも共和党内の保守派が、上限引き上げの代わりにオバマケア廃止を法案に盛り込むよう要求しており、共和党の意見調整が難航している。