東京為替概況 株高でやや円安も値動き限定的 豪ドルは堅調
2013年10月21日 14:59
21日の東京市場は、ドル円が一時98円台を回復するなどやや円安の推移。前週末のNY株式市場が小幅高に落ち着いたことを受けてリスク選好ムードが優勢だった。日経平均は100円超の上昇となり、一時1万4700円台に乗せる場面もあった。ドル円は97.80-90レベルから一時98.11レベルまで上昇した。ただ、日経平均の上昇の勢いが一服しプラス圏での揉み合いに転じたこともあって、仲値公示後には79.90台へと反落している。ただ、97.90レベルはサポートされており、全般に小動き。クロス円も同様の値動きで、序盤に134.13レベルまで上昇したユーロ円は133.90近辺に戻して揉み合っている。
その中では、豪ドル円が堅調だった。午後にも高値を伸ばしており、一時94.82レベルと6月5日以来、約4カ月ぶり高値水準となった。市場では、米FRBの緩和縮小時期の先送り観測を背景に、株式市場が高値圏で安定、通貨オプション市場でボラティリティーが落ち着いており、円キャリー取引復活の環境が整いつつあるかとの声も一部にでていた。
朝方発表された9月の本邦貿易収支は9321億円赤字と15カ月連続の赤字だった。13年度上半期の貿易赤字は4兆9892億円と過去最大だった。また、この日は日銀全国支店長会議が開催されている。黒田総裁は冒頭のあいさつで、緩やかな回復を続けていく、2%の物価目標実現に向けた道筋を順調にたどっている、異次元緩和は予想物価上昇率を上昇させ日本経済をデフレ脱却に導く、などと述べた。いずれも円安材料と捉えられるものの、新味には欠けており、市場の反応は限定的だった。市場はあすの米雇用統計発表を控えての様子見ムードもあったようだ。