東京市場 午前 米大統領発言でリスクオンも、円安は一時的

2013年09月11日 11:51

 東京タイム午前、為替相場は円安に振れるも限定的。本日も景気期待から日経平均が続伸するなかでドル円・クロス円は利益確定と見られる動きからやや円買い戻しにより下押す場面はみられたものの、おおむねしっかりとした動きで円安基調を持続する流れとなった。材料としては、オバマ米大統領のシリア情勢に関する国民向けの演説において「シリア攻撃に対する承認の採決先送りを求めた」との発言が伝わると為替相場は円安に大きく振れたものの、こちらについては一過性ものにとどまり、積極的に円売りを仕掛けていくような展開までには至らなかった。
 ドル円・クロス円は底堅い展開。前述した通り、日経平均は続伸となったが、序盤はやや円買い戻しに傾く展開に。昨日、円安基調が強まっていたことから、利益確定といった動きが入ってきていた可能性もあり、ドル円は100.14円まで下押した。ただ、米大統領の発言をきっかけにリスクオンを背景とした円売りが強まり、100.55円まで反発し昨日高値を更新する場面が見られた。とはいえ、一過性のものにとどまると100円前半でのもみ合いに転じた。クロス円も、ユーロ円は132.89円を安値に133.38円まで上昇したもののその後は横ばいに。また資源国通貨は、豪ドル円は93.03円、NZドル円は79.91円まで売られたが、その後は他のクロス円と同様に反発。ただ一時的な動きにとどまると小動きに転じた。
 ドルストレートは小動き。東京タイムは円主導の展開だったことから動きは鈍く、ユーロドルは1.3282ドルまで上昇したものの限定的に。そのほか、ポンドドルは1.57ドル前半、豪ドル/ドルは0.93ドルちょうど前後、NZドル/ドルは0.80ドル半ばを中心とした推移となった。
 この後も、日経平均をはじめとしたアジア株の動向を睨みながらの展開となるか。オバマ米大統領からシリアに対して猶予を与える旨の発言が聞かれたことで、シリア情勢に対する緊張が緩和しており、為替相場においては円主導でのドル円・クロス円の底堅さは継続しそうな様相。ただ、シリア情勢に対する緊張が完全に払しょくされたわけでもないことから、さらなる円安を見込むには新たな材料が必要なところで、結局は株価動向次第、そして欧州勢の参入を待つことになりそうだ。