東京市場 午前 円高基調、豪雇用指標は予想外の大幅マイナスに
東京タイム午前、円高基調。特段円高を誘うような材料は見当たらなかったが、寄り付きから小動きを続けていた日経平均が徐々に下落幅を広げたこと、米10年債利回りが時間外取引ながら低下基調を強めたことなどがドル円・クロス円の重しとなった。そのほか、豪8月雇用統計が発表され、就業者数が予想外の大幅マイナスに。発表後、豪ドルは大きく売りに傾斜したが、対円での下落が結果的にそのほかのクロス円の上値を抑えることとなった。そのほかNZドルに関しては、序盤はNZ準備銀行(RBNZ)が政策金利発表後に公表した声明文で「2014年に利上げする可能性は強い」との内容が示されたことから買いが強まったものの、その後は豪ドルの下落などにつれて売りに押される格好となった。
ドル円・クロス円は下落。ドル円は市場関係者がサポートとして意識していた日足一目均衡表・転換線を下抜け99.39円まで売られた。その後は99.50円水準と同線近辺まで戻したものの鈍い動きだった。クロス円は、ユーロ円が132.35円、ポンド円は157.26円まで下落。またオセアニア通貨は、豪ドル円は豪雇用指標発表後に下落幅を広げ93.27円を高値に92.06円を示現。そのほか、NZドル円はRBNZの声明を受けて81.39円まで上昇した後は80.68円まで反落した。
ドルストレートはオセアニア通貨が動意づく展開に。早朝はRBNZの声明を受けてNZドル/ドルが0.8152ドルまで上昇したことに連れて、豪ドル/ドルも0.9355ドルまで上昇した。ただ、その後は豪雇用指標の悪化から豪ドル/ドルが0.9253ドルまで下げたことが重しとなって、NZドル/ドルは0.8080ドルまで売られるなど上下に振れることとなった。
単独の材料によりオセアニア通貨が動意づく場面は見られているが、この後も基本的には調整色の強い相場展開を見込む。シリア情勢がいったん小康状態となり新たな進展が見込めず、米量的緩和(QE)縮小については米FOMCを来週17-18日に控えるなかで、ブラックアウト期間に入り米連邦準備制度理事会(FRB)要人からの金融政策に関する発言も控えられているということで新たな材料は期待しづらい。徐々に調整主体の動きが強まってくる展開も想定される。株価動向に目を配りながら欧州勢の参入待ちとなりそうだ。