東京市場 午前 円買い戻しが優勢、実需筋や利益確定との見方
東京タイム午前、為替相場は円買い戻しが優勢。本日はNYタイムに米8月雇用統計を控えており様子見ムードもあったが、日経平均が前日比150円超の下落となったこともあって円買い戻し圧力が強まった。日経平均に関しては米8月雇用統計を控えた調整主体の動きに加え、週末の五輪開催地決定を前にしていることも上値を重くしたようだ。為替相場について市場関係者からは「ドル円は久々の100円に乗せたことから、実需や利益確定の売りに押される」(証券系ストラテジスト)との見方や「日経平均が大幅安となってしまっていることに為替も連動している」(FX系アナリスト)との声も聞かれていた。
ドル円・クロス円は下落。ドル円は100円の大台を割り込むと99.70円まで下落。前述のFX系アナリストからは「99.90円水準にはストップロスの売りも入っていたようだ」との声が聞かれていた。その後は下げ渋ったものの、戻りを試すこともなく前述の安値圏での推移を続けた。クロス円も同様に売りが優勢。円買い戻し基調が強まるなかで、ユーロ円は130.88円、ポンド円は155.55円まで下落したほか、株との感応度が強い資源国通貨では、豪ドル円は91.07円、NZドル円は78.84円まで売り込まれた。
一方、ドルストレートは上昇。ドル円でのドル売りが後押しとなり、ユーロドルは1.3139ドル、ポンドドルは1.5614ドル、豪ドル/ドルは0.9144ドル、NZドル/ドルは0.7928ドルまで上昇した。ただ、主導が円相場であったことからレンジ自体は限定的で、米雇用統計を控えるなかでは方向感にも乏しかった。
この後は徐々に様子見ムードが広がってくるか。午後に入り日経平均が下落幅を縮小させてくれば円高も落ち着きドル円は100円の大台を回復させて米雇用統計を迎えるとの見方もあることから、株価の動向に注目しておく必要がある。一方、ドル円相場に関しては「昨日安値が99.57円だったこともあって99円半ばを割り込むと旗色が悪くなる可能性もある」(前述のFX系アナリスト)との見解を示しており警戒しておきたい。