東京市場 午前 円売り先行も勢いは限定的、株主導の展開
東京タイム午前、円売り先行後は巻き戻しが優勢に。先週末の米8月雇用統計に関しては全体的に見れば市場予想を下回る内容であったと受け取れるが、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での量的緩和(QE)の縮小が取り止めになるようなレベルではないとの見方も多いなかで週明けの為替相場への影響は限定的なものに。それよりも、2020年東京五輪開催の決定を材料とした株高期待を背景に、オセアニアタイムから円安が進み、ドル円・クロス円は大きく上窓をあけて推移した。その後、期待通り日経平均が大幅高での推移となったもののすでに織り込みながら円安が進行していたこともあって、本邦株式市場の寄り付き以降円安は進まず、むしろ日経平均の上昇が落ち着き上昇幅を縮小させる場面では窓埋めからドル円・クロス円は下押す格好となった。
ドル円・クロス円は上窓をあけた後は埋めにかかる動き。週明けのオセアニアタイムから円全面安のなかで、ドル円・クロス円は上窓を大きくあけ、ドル円は100.11円、ユーロ円は131.85円、ポンド円は156.53円まで上昇。資源国通貨は、豪ドル円は92.07円、NZドル円は79.99円、加ドル円は96.12円まで買い進まれた。もっとも、その後は本邦株高への期待で上昇していたこともあって、日経平均が寄り付きから堅調に推移し前日比300円超の上昇後は伸び悩んだことから、ドル円・クロス円は窓埋めにかかる格好となり、ドル円は99.49円まで反落したほか、クロス円も軒並み反落する展開となった。
ドルストレートはもみ合い。円相場主導のなかで動きは鈍く、ユーロドルは1.31ドル後半、ポンドドルは1.56ドル前半、豪ドル/ドルは0.91ドル後半を中心とした推移となった。
この後も、本邦株式市場の動向に左右される展開か。本邦証券・シニアエコノミストからは「日経平均がさらに続伸できるか否かが為替相場のポイントになる」との指摘もあり、午前はやや伸び悩んでしまったが、午後の本邦株式の動向には注目しておきたい。