東京市場 午前 円売り先行も勢いは限定、ドル円には高値警戒感も

2013年09月03日 12:28

 為替相場は円売り先行。昨日は米国がレーバーデーで休場となったが、ロンドンタイムに進んだ中国製造業PMIの好結果やシリア情勢の緊迫化が緩和したことなどが背景とみられるリスク選好地合いを引き継ぎ、東京タイムも序盤から円売りが優勢となった。その後、日経平均が寄り付きから堅調に推移し前日比300円超の上昇を示現したものの、すでに円安が進んでいたこともあって為替は落ち着いた動きに転じると、ドル円・クロス円も伸び悩む格好となった。
 一方、豪ドルは中国・豪州の経済指標でやや上下に振れる場面も。まず中国8月非製造業PMIは53.9となり前月の54.1を下回ったが、強弱の判断の分かれ目となる50を上回り力強さを維持していることもあって、経済的につながりの強い豪州への波及といった点では特段悪材料とはならず。その後に発表された豪7月小売売上高ならびに同4-6月期経常収支はともに市場予想比で弱い内容となり豪ドルは下押したものの、この後に豪準備銀行(RBA)理事会を控えていることもあって限定的な動きにとどまった。
 ドル円・クロス円は買いが先行。前述した通り、リスクオンの流れを背景に序盤から円売りが進み、ドル円は99円半ばに控えていた厚めの売りオーダーをこなし、99.71円まで上昇したほか、クロス円も、ユーロ円は131.48円、ポンド円は155.00円まで買われた。ただ、ドル円が100円の大台に迫るなど高値警戒感もあって徐々に戻り売りに押される展開となった。
 一方、オセアニア通貨は買い先行後は伸び悩む展開に。豪ドルは序盤はリスクオンの流れから円売り主導で堅調に推移したものの、その後は豪州経済指標の弱さが重しとなり、売りに転じた。豪ドル円は89.95円まで上昇後は89.13円まで下落。NZドル円も78.07円まで上昇した後は77.52円まで押し戻されるなど総じて上値の重さが目立った。
 ドルストレートは小動き。円主導の展開となったこともあり、ドルストレートに関しては動きは鈍く、ユーロドルは1.31ドル後半、ポンドドルは1.55ドル半ばでの小動きとなった。
 この後は豪準備銀行(RBA)理事会の結果に注目。金融政策については据え置きがコンセンサスとなっているが、声明での豪ドルの水準に関する文言や今後の利下げ余地への言及には注目しておく必要があり、午前に続き午後も豪ドルの注目度は高そうだ。また、ドル円は100円の大台を前に高値警戒感などもあって徐々に押し戻されているが、本邦証券筋からは「直近1週間で3円近い上昇となっていることから調整主体に98円後半まで下押す動きは想定している」との声も聞かれており、今後の動向に注目しておきたい。