東京市場 午前 イエレン氏指名との報道で円売りに

2013年10月09日 12:51

東京市場、午前の取引はドル円、クロス円が上昇した。序盤は円高が優勢。米財政協議が暗礁に乗り上げた状況となっており、前日NYダウは159ドル安と大幅続落だった。リスク回避ムードが先行して、ドル円は96.83レベル、ユーロ円は131.40近辺へと下押しされる場面があった。しかし、ニュースをきっかけに相場のムードが好転する。米ウォールストリート・ジャーナルが、オバマ米大統領が次期FRB議長にイエレン副議長を指名する準備、9日にも発表へ、と報じた。市場はハト派のイエレン氏指名にドル売り、続いて円売りに反応している。日経平均はNY株安を受けて100円超安で取引を開始したが、次第に下げ幅を縮小、上げに転じると60円高の1万3955円と高値引け。ドル円は次第に買われて97円台を回復すると前日高値水準で揉み合う場面もあったが、株高とともに上昇、一時97.34レベルと前日高値97.26レベルを上回った。ユーロ円は132円ちょうど付近まで上昇、ポンド円や豪ドル円も買われて、朝方の下げを消した。アジア株は香港株がマイナス圏で推移しているものの、上海株や豪州株は小高く推移しており、リスク許容度が回復しつつある動きになっている。米財政協議が進まないなかで、イエレン氏指名のニュースが市場を活気付かせた格好だった。なお、この日は日銀金融政策決定会合議事要旨(9月分)や中曽日銀副総裁の講演内容も報じられたが、市場は特段の反応を示していなかった。ユーロドルは朝方のイエレン氏指名報道で一時1.36台に乗せたが、昼にかけては1.3560台に反落と早朝の水準に戻している。ドル相場は方向感に欠ける振幅だった。