本日の見通し(為替) 週末にかけて徐々に様子見か、豪雇用統計は注目
昨日のNYタイムはドル売りが優勢。弱い米7月卸売在庫への反応は限られたが、米債入札後に米10年債利回りが急低下すると、ドル売りが強まった。米10年債入札は最高落札利回りが2.946%と、市場参加者が予想していた2.964%前後より低下。応札倍率は2.86倍と、前回入札の2.45倍を上回った。ここ最近の金利水準の高さが債券需要を強めている。来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、債券市場は非常に神経質な状態にある。
本日の東京タイム、やや方向感に欠ける展開も。シリア情勢に関しては昨日オバマ米大統領が国民向けのスピーチで述べていた通り、米議会での軍事介入をめぐる採決は先送りされ、シリアも化学兵器の受け渡しの判断を保留しているさなかとあって、現状では小康状態ということで進展は見込めず、リスク回避ムードが高まるような展開は目先は見当たらない状況。また、もう一つの市場の注目材料である米量的緩和(QE)縮小については米FOMCを来週17-18日に控えるなかで、ブラックアウト期間に入り米連邦準備制度理事会(FRB)要人からの金融政策に関する発言も控えられているということで新たな材料は期待できず、好調な株価の動きには注視しながらも、本日も含め週末にかけては来週のイベント待ちの様相から為替相場は徐々に様子見ムードが広がってくる展開も見込まれる。本日の材料としては豪8月雇用統計が発表される。直近の中国経済指標の好結果を背景に中国と貿易などでつながりの強い豪州に好影響を与えるとの見方から豪ドルは力強い動きとなっているが、さらに豪ドルを買い進めることができる内容となるか注目しておきたい。なお、市場コンセンサスは就業者数が1万人増(前月;1万200人減)、失業率が5.8%(前月;5.7%)となっている。