本日の見通し(為替) 米財政協議進展、下院での法案採決に注目
2013年10月17日 08:04
NYタイムは米財政協議の進展から、ドル買いやリスク選好の円売りが優勢だった。米10月NAHB住宅市場指数が市場予想や前月を下回ったことは特に材料視されなかった。しかし米デフォルト回避へ向けた動きを受け米金利の低下が強まると、ドル買いの巻き戻しも入った。当面は現状の米金融緩和が継続しそうであることが、米金利低下を進みやすくしていたようだ。米地区連銀景況報告(ベージュブック)でも指摘されたように、米経済成長が穏やかあるいは緩慢とされていることや、財政問題のリスクが依然としてくすぶったままであることなどが背景といえよう。一方、米財政協議については、ベイナー米下院議長が「下院は全力で戦った」と述べ、医療保険改革法(オバマケア)の削減をめぐり敗北を宣言したことで、暫定予算・債務上限引き上げ法案が無事に成立するとの見方が強まりリスク選好的な動きを促した。
本日の東京タイムは米財政法案の採決に関連した動きに注視。NYタイム終盤にベイナー米下院議長が「下院は全力で戦った」と述べ、医療保険改革法(オバマケア)の削減をめぐり敗北を宣言し、また上院で合意に至った暫定予算・債務上限引き上げ法案の妨害についても『戦略的ではない』と述べていることから、東京タイム午前(現地時間16日夜)に予定されている下院での採決においても一部の共和党議員の賛成を加えて通過する見通し。なお本法案は債務上限を2月7日まで引き上げ、暫定予算を1月15日まで確保する内容となっている。法案の内容についてはいったん棚上げといった感の強いものではあるが、政府機関の閉鎖解除ならびに債務上限引き上げについて連日進展がみられるなかで、東京タイムに予定されている米下院の採決の結果を眺めながら、為替相場においてはドル買いならびにリスク選好の円売り、さらには金融市場全般にリスク選好的な動きが進むか注視しておきたい。