本日の見通し(為替) 米財政協議期待感がやや後退、ドル円上値重いか

2013年10月16日 08:10

 NYタイムはドルが下落。米財政協議への楽観的な見方からドル買いが先行したものの、米共和党員の一部が本日下院から提示された付帯条項付きの暫定予算・債務上限引き上げ法案を補強することを望んでいると伝えられ、協議がまた一歩後退するとの懸念が高まりドル売りが優勢となった。米下院共和党が成立する見通しのない予算案などの法案の採決を強行しようするなど再び混迷が深まるなか、格付け会社フィッチが米国のAAA格付けを引き下げる可能性に言及し、リスク回避の円買いも強まった。ドル円は98.70円前後まで上昇後、一時97.99円と大台割れまで下落した。ユーロ円も円買い優勢で132.66円まで下落。ポンド円は一時157.60円付近へ反発したものの上値が重く、156.77円まで下落した。
 米財政問題がテーマの相場展開はまだ継続。先週末から膨らんでいた米債務上限引き上げをめぐる与野党の協議への期待感がやや後退し、警戒感が再び台頭したことからドル円は上値の重い展開となるか。上院よりも共和党が多数派である下院では、医療保険改革法(オバマケア)関連の同党の主張を曲げようとはしない。米下院では新たな債務上限引き上げ案を15日に採決する予定だったが延期された。与野党が合意に達するまではまだまだ時間がかかりそうだ。ただ、米政府債務上限期限が17日までとなっているが、少なくとも月末までは資金のやり繰りが可能で、実質的なデフォルトには陥らないとされており、市場でもデフォルトは回避されるとの楽観論が多く、ドル売りも限られそうだ。米財政問題の不透明さが続くなかで、ドル円は97円後半では押し目買いに支えられて、98円後半では利食い売りに抑えられる相場になりそうだ。