本日の見通し(為替) 東京五輪決定含め各種材料への本邦勢の反応注視
先週末のNYタイム序盤は、米雇用統計を受けてドル売りが進んだ。米8月雇用統計は、非農業部門雇用者数の増加が+16.9万人にとどまり、市場予想の+18.0万人を下回った。また、前月分は+16.2万人から+10.4万人へと大きく下方修正。米量的緩和(QE)の早期縮小観測が後退し、米10年債利回りは2.95%近辺から2.862%まで急落した。金利低下を受け小高く寄り付いた米株式市場が、マイナス圏に沈んだこともドル売りにつながった。
本日の東京タイム、週末の経済指標ならびにイベントに対する本邦勢の反応に注目。まずは米8月雇用統計だが、こちらについては非農業部門雇用者数(NFP)は16.9万人増と市場予想を下回ったほか、前月分も大幅に下方修正された。失業率については予想比改善となったものの、こちらについては労働参加率の低下が影響しており全体的にみると低調な内容と受け取ることができる。ただし、今回の結果については7月分の大幅下方修正が大きく影響した部分があり、8月分に関しては、雇用者数は改善、失業率も米連邦準備制度理事会(FRB)の予測通りとなっていることから、9月量的緩和(QE)縮小の方向性に影響を与えるような状況ではないとの見方が複数聞かれている。そのほか、週末には2020年の東京五輪開催が正式に決定しており、米雇用統計の結果よりもこちらへの本邦株式市場の反応による為替(円相場)への影響のほうに市場の注目は集まりそうだ。また、早朝には本邦4-6月期GDP・2次速報値の発表も予定されていることから、なおのこと本邦株式市場の動きを見ながら円相場の方向性を探りたいところ。また、豪ドルに関しては週末に実施された豪総選挙においてアボット氏率いる野党保守連合が過半数の議席を獲得し勝利を収め、6年ぶりに政権を奪い返した。今回の結果については市場の想定通りではあったが、政権交代に対する市場の反応には注目しておきたい。また、豪州とつながりの強い中国においては8日に8月貿易収支が発表されている。貿易黒字は予想を上回ったものの気にかかるのは輸入額が予想を大きく下回ったことであり、豪州経済への影響、そして豪ドル相場の動きには注視しておく必要があるだろう。