本日の見通し(為替) 明日の米雇用統計控え、様子見広がるか
2013年09月05日 08:02
昨日のNYタイムは、対円以外でドル売りが優勢だった。シリアへの早急な米軍事介入が回避されるとの見方から市場のリスク回避姿勢が後退。リスク選好の地合いに敏感なオセアニア通貨ほか、NY入りまで小動きが続いていたユーロも上昇した。ただ、NY午後には、米上院外交委員会が限定的な武力行使を承認。米上院本会議が軍事介入案を来週審議するとのニュースを受け、リスク回避の円買い戻しが優勢となる場面もあった。
東京タイムは様子見からもみ合う展開か。本日は日銀金融政策決定会合の結果が公表され黒田日銀総裁の記者会見も行われる予定だが、市場関係者からは「金融政策は据え置きを想定している」との声が聞かれているほか、黒田総裁の会見についても「賃金の上昇や設備投資といった緩和の影響に見られていない部分に質問がおよぶ可能性はあるが、会見自体はこれまでの内容を踏襲するだろう」としており、動意材料としては弱さが感じられる。また、市場の注目は明日6日に発表される米8月雇用統計ということで、昨日のドル円のレンジを見てもわかるようによほどの材料が出なければ積極的にポジションを傾ける動きは手控えられるのではないか。一方、NYタイムに報じられた「米上院委員会のシリア軍事介入の承認」については円高材料として意識される可能性があることから、ドル円・クロス円の上値を重くする可能性はある。ただし、報じられた後の値動きを見ている限りでは一方的に円高に傾斜しているわけでもなく影響は限定的なものにとどまることを見越しておきたい。