本日の見通し(為替) 弱い米指標や不透明感を嫌いリスク回避の円買いに

2013年10月03日 08:05

 海外市場ではユーロが急騰。欧州中央銀行(ECB)理事会では金融政策の据え置きが決定された。また、ドラギ総裁の会見は、行動の用意があり長期資金供給オペ(LTRO)も選択肢との従来からの見解を示しつつも、前月から特に目立った変更点はなく、ユーロ高や金利上昇に対して強い懸念が示される内容ではなかった。伊上院でレッタ政権が信任を獲得したことも押し上げ要因となり、ユーロドルは2月4日以来の高値1.3608ドルまで上昇。米財政問題の混迷継続や米9月ADP全国雇用者数が予想よりも弱かったことも、対ユーロなどでのドル売りを促した。ユーロ円もリスク回避の円買い地合いを受けてつけた131.39円を安値に、昨日高値圏となる132.50円水準まで持ち直した。ドル円は、対ユーロを中心としたドル売りのほか、米株が軟調に推移する一方で米債利回りが低下したことから、8月28日以来の安値97.15円をつけた。
 東京タイムのドル円やクロス円は上値が重そうだ。海外市場での為替の円高推移や米株の軟調さを受け、本邦株式市場もさえない動きになる可能性がある。また、予算審議の混迷ほか米財政問題に関する不透明感がリスク回避の円買い要因となる。「不透明感の強い状況では、ポジションを持つことがリスクで、投機筋のポジションが依然として大幅な円売りに傾いている現状では円買い戻しが進みやすい」(シンクタンク筋)という。米政府機関の閉鎖で、週末の米雇用統計など重要指標が発表されない可能性があることも、不透明感を嫌ったリスク回避を促しそう。アジアタイムに中国9月非製造業PMIが発表となるが、中国市場が国慶節で休場であるため、通常より市場は素直に反応しにくいかもしれない。