本日の見通し(為替) 引き続き米財政協議を見極める展開

2013年10月07日 08:11

 先週末の海外市場では、調整主導の相場展開となった。発表予定だった米9月雇用統計が、米労働省より発表の延期(日時は未定)が示されていたことで材料不足の感はあったが、米予算協議の進展も特になく政府閉鎖も4日目に入り、マーケットの悲観論は依然として根強い。ただし、織り込んでいる部分も多く、週末相場の様相が顕著となった。目立った動きとしては、対欧州通貨でドル高が進んだが、こちらについては米10年債利回りが上昇するなど、これまでのドル安の巻き戻しが入りやすい環境が整ったこと、そして週末にともなう調整がメインで主体性のある動きではなかった。一方の資源国通貨は堅調。対ユーロでの上昇ならびに株式との感応度が強い資源国通貨において欧州株の上昇が後押しとなった。ドル円は96.95円を安値に97.49円まで水準を戻した。
 先週のドル円は、17年ぶりの米政府機関の一部閉鎖や政府財政上限引き上げ問題の協議が難航していることが嫌気されて上値の重い展開が続いた。オバマ大統領がアジア訪問を取り止めて問題の解決に取り組むことを表明し、米財政問題をめぐる協議への期待感から下げ渋ったが、週末にも交渉進展は見られなかった。米国防総省は5日、政府機関の一部閉鎖で自宅待機になっていた文民職員約35万人の大部分を、7日から職場復帰させると発表したが、米予算案をめぐる協議に進展があったわけではない。オバマ米大統領は、議会指導者との会合で無条件の暫定予算を求めているが、ベイナー米下院議長は、他の条項を含まない米連邦債務上限引き上げの法案を通過させることはないと強調。妥協点が見出せない政府債務上限問題への警戒感から、ドル円は上値の重い展開が続きそうだ。その一方で協議に進展が見られた場合、ドル円の急速な反発も見込まれるだけに、積極的なドル売り・円買いも進めにくく、下値も限られるだろう。東京タイムでは、注目の経済イベントの予定もなく、ドル円の様子見ムードは続くか。