本日の見通し(為替) 好調な米指標受け、リスク選好的な動きとなるか

2013年09月20日 08:04

 昨日のNYタイムでは、好調な米経済指標を背景にドルの買い戻しが優勢となった。発表された米新規失業保険申請件数は30.9万件(予想 33.0万件)、米8月中古住宅販売件数は548万件(予想 525万件)、米9月フィラデルフィア連銀製造業指数は+22.3(予想 +10.3)、米8月景気先行指数は+0.7%(予想 +0.6%)となった。米8月中古住宅販売件数は2007年2月以来、米9月フィラデルフィア連銀製造業指数は2011年3月以来の高い水準となった。ドル円はドル買い戻しとリスク選好の円売りから一段高となり13日以来となる高値を示現、クロス円も一段高の格好となった。
 本日の東京タイム、好調な米経済指標を受けたリスク選好の円売り継続はあるか。米量的緩和(QE)縮小先送りというサプライズとなった米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過し、市場は再び米国の経済指標を確認しコンセンサスを模索し始めるなかで、昨日の米雇用ならびに住宅指標は総じて強い結果となった。これを受けてFOMC後のドル売り一服ならびにリスク選好の円売りが入る格好となっていたが、こうした動きが東京タイムでも見られるか注目しておきたいところ。本邦証券筋からは「米国の金融政策の方向性としては緩和の拡大ではなく縮小であることは明らかで、時期も9月から12月に後ずれしただけとあって、長期的なドル高・円安の方向性は変えていない」との声もあるように、12月のFOMCでのQE縮小に向けて経済指標を再び確認していくなかで、見方としては好調な米国経済指標には素直に反応していく展開のようだ。
 なお東京タイムの材料としては黒田日銀総裁の講演が予定されているが、それ以外は特段目立ったものは見当たらない。さらに、中国市場に続き香港市場も中秋節に関連した祝日から休場とあって本邦勢主導の展開となることから、週末要因も重なり流動性の低下も見込まれるなかで積極的な取引は手控えられそうな感もある。基調としてはドル高・円安を見越しておきたいが、取引環境を考慮するとどこまで進むかはやや不透明感がある。なお本日はゴトー日(5・10日)となっており、仲値にかけてのドル需給といった面には注目しておきたい。