本日の見通し(為替) 円安基調の継続性確認、株との連動性が高まるか

2013年09月11日 08:04

 昨日のNYタイムは、シリア問題が外交的解決に向けて動き出したとの見方から、市場はリスク回避姿勢を後退させて、為替はドル売り・円売りで反応した。ドル円については米10年債利回りが2.97%まで水準を上げたことが後押しとなったほか、ダウ平均が前日比100ドル超えを維持して推移したことや、日経平均先物が大証の日中取引終値を大きく上回る動きとなったこともリスク選好の円売りを支えた。安倍政権の消費税増税を見据えた経済対策パッケージへの期待や東京オリンピック開催決定も、潜在的な円売り要因となり続けている。
 本日の東京タイム、円安基調が継続するか。一部メディアがロシアの化学兵器破棄の提案をシリアが受け入れと報じるなど、不透明感が払しょくされなかったシリア情勢に関しては一時の緊迫した状態と比較すれば大きく緩和しており、欧州・米株高が進むなど市場のリスクオンムードが徐々に高まってる。また、東京タイムにおいては先週末の2020年東京五輪開催決定にともない、経済に対する期待感にともなう株高といった背景から円安が進みやすくなっていることも加味すれば、東京タイムにおいては株主導による円安基調の継続性を確認していきたい。本日については本邦のみならず豪州・中国の主要経済指標の発表も乏しいとあって、より一層株と為替の連動性が高まる可能性がある。
 ただし、前述したシリア情勢に関しては完全に懸念が払しょくされたわけでもなく、情勢は変化していることから楽観視できるまでには至っていないことには留意。証券系シンクタンクは「経験則からシリアへの攻撃が始まればアク抜け感がでるとの見方も聞かれるが、実際にはさらに悪化の一途を辿る可能性がある」と指摘している。